021 ブリキのおろし金
ニューヨークのフリーマーケットで見つけたものです。マンハッタンの日曜日には、定期的なものとしては(1988年、僕の知っている限り)3ヶ所で市が立ちました。これは一番下のキャナルストリートの市で見つけた物です。そこが一番ガラクタがあったのです。おろし金、日本で考えるなら「大根おろし」なのですが、西洋なら(きっと)チーズをおろしたのでしょう。

020 パイレックス社製・耐熱ガラスのフライパン
良く覚えていないが、ニューヨークのフリーマーケットで手に入れた気がする。今でも同社から後継と思われるモノが出ているが、それとは違うので古いモノであることは間違いない。(もっともニューヨークにいたのが、すでに20年以上前なのだから)推察するに60年代か70年代と考えていいだろう。ワイヤーの取っ手も小気味良いし、皿を脱着するレバーの頭にもガラスが設えているのがニクイ。

019 60年代のタイプライター「オリベッティ・バレンタイン」
オリベッティの「赤いバケツ」と呼ばれたソットサス・デザインの名機、以前ある知り合いから「イシカワさん、これいる?」っていただきました。「赤いバケツ」の由来は、これを入れるケースが外人にはバケツに見えたのでしょう。(?)それにしてもモダンデザインの中心的存在だと思いません?現在のとろけるようなシェープよりも、このようなカチットした律儀な形に一票!  僕はグラフィックデザイナーですが、立体物のプロダクトにしびれてしまいます。

018 パイプたばこのブリキ缶
今では大抵のモノが袋になってしまいましたが、かつてパイプたばこは缶に入っていました。ヨーロッパのモノは靴墨の缶を大きくしたような丸い缶、アメリカのモノはご覧のような四角い形をしていました。ブリキのオモチャしかり、古びたブリキ製品はプラスチックにはない味わいがあります。これらの缶はいずれもNYのマーケットで手に入れたものですが、40年代から60年代ぐらいまでのものでしょう。ケンタッキークラブのやホリデーには黄金期のアメリカの夢を感じます。右側のハーフ・アンド・ハーフがおそらく一番古いもの、中身が半分まで減ったら缶をぎゅぎゅっと半分の大きさに縮めることが出来るようになっています。

017 文字のあるビン
基本的にガラスビンが好きなのですが、文字がレリーフしてあったりするとよりグッと来てしまいます。 これらは一度に手に入れたものではないのですが、大抵のモノはニューヨークのフリーマーケットか、 ニュージャージーのガレージセールで入手したと記憶しています。下段中央の平たいビンはFINANCIERS CLUBというウイスキーのビン、「ビンを持ってくると引き替えに一本あげる。」と、書いてあります。 そんなことを言うと限りなくウイスキーが飲めると思ってしまいましたが、持っていくビンはこれではなく、もっと大きなもので、 これがオマケのビンなのかも知れません。禁酒法の前のモノでしょうか?

016 アメリカの釘の箱
ガルバニウム製の釘はデッキなど、雨ざらしの所に使うものでしょう。これは、確か厚木のお店で買ったものです。 釘がほしかったワケではなく、箱が僕好みだったんです。釘のイラストで、釘の意味のNAILSが描いてあるのがたまりません。 古いものではありません。

015 毛沢東の像とポスター
2008年の夏に中国に(仕事で)行きました。大連と上海です。共産圏のグラフィックは面白いと思って探したのですが、さすがに政治的なモノは大っぴらには出回っていません。 これは上海の骨董市で手に入れたもの、藁半紙に赤と墨で刷った共産党のポスターと毛沢東の真鍮像です。これはおそらくこれはお土産用のレプリカなんでしょう。

014 ヨーガンレールのスツール
ヨーガンレールの展示会の案内が毎回送られてきます。「これは面白そうだなぁ。」と思うと彼の運河沿いの素敵なショールームに出かけて行きます。この「チーク材丸彫りのスツール」の案内をもらった時はいそいで博子と駆けつけました。案内状を見た時点でほしいと思ったんです。かなりの数がありましたがそれぞれ手彫りの一品もの、二つとして同じものがありません。そして選んだのがこの3脚なんです。ヨーガンレールさんのセンスは博子も僕も大好きなんです。これはタイだかインドネシアだか忘れてしまいましたが、どちらにしても東南アジアに(おそらく、これに近いものが)もともとあったものを彼がアレンジ、デザインして制作依頼したものだと記憶しています。会場にいらっしゃったヨーガンレールさんと少しお話することもできました。「仕上げはガラスのかけらで削るんだよ。」と話してくださいました。今では田舎のウチに置いてありますが彫刻作品のようなこの椅子があるだけで、部屋の空気が変わりました。


013 ファブリのボトル
海外に行くと必ずスーパーマーケットに寄る。スーベニアショップよりもずっと興味がある。今でこそパッケージデザインが仕事の主流になった僕だが、その前からおもしろいパッケージには興味があった。そんな商品を見つけるとつい手が伸びてしまう。これはミラノのスーパーで買った「ファブリ社」のボトル。ジャムよりもずっとゆるい果物のシロップ漬け、アイスクリームやヨーグルトのトッピングに使うモノだ。1905年創業のイタリアの会社でヨーロッパに絶大なるシェアを持っているという。後ろのはもちろんイチゴ、前の青いのがもっともポピュラーな「アマレーナ」、ワイルドチェリーだ。創業当時からかは定かではないが相当昔から変わらないパッケージなのだろう。好きだ。・・・最近知ったのだがこの「アマレーナ」日本にも片岡物産が輸入なさっている。



012 軒用L字
20年ぐらい前、女房と福島の喜多方に遊びに行った。今ではラーメンの町として有名だが「蔵の町」でもあり、そんな町並みが見たくて出かけたのだ。何処へ行ってもそこに古市が立つなら覗いてみるし、そうでなくても古道具やがあると入ってしまう夫婦なのだ。そんな古道具やで見つけたこれは、家の軒を出すのに下から支える金具、実際喜多方の町で使われている家を何軒か見た。鉄の鋳物でグリーンに塗装されている。完全に「日本のアール・デコ」をしているので1920~30年代頃のデザインだろう、美しい。・・・・・最近中目黒を散歩していて使っている家を発見してしまった。その時代日本全国で使われていたモノなのかもしれない。



011  オイルポット
80年代にニューヨークのフリーマーケットで手に入れたと記憶します。初め園芸用のじょーろかと思ったのですが聞いてみるとガソリンステーションか修理工場で使っていたオイル補給用のものだと教えてもらいました。そう言われて中をのぞいてみると底の部分が内側に円錐状に出っ張っていて、ポット内にオイルが残らないようになっていました。正面から撮ったので分かりにくいですが本体は上から見ると楕円形をしています。強度を増すための4本の溝がプレスされています。ハンドルが円弧になっているのは持ち位置をずらして最後まで注ぎやすくしたのでしょう。機能を追求した結果、こんなに美しいカタチになった良い例ではないでしょうか。

 
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